親教育プログラム
離婚を意識し始めた、未成年の子どもがいらっしゃるご夫婦、子どもに関わる職種に就く方、婚姻中、離婚後に関わらず共同養育したいと思われる方などを対象に「親教育プログラム」を実施します。その他、子どものいる親で希望される方は、どなたでもご参加可能です。
父母が別居や離婚しようとも、子どもたちが安心して暮らし、健やかに成長していける養育環境について、ワークショップ等を通して話し合ったり、子どもの心理や、父親、母親の役割、面会交流・共同養育の意義を一緒に考える機会をもったりできればと考えています。 アメリカなどの先進国では、離婚の際の親教育プログラムを義務付ける州や国も多くあります。
親が離婚しても、子どもの幸せを守る
「子どもファースト」離婚講習会
講座開催予定
■開催日時
【終了】第1回 5月28日(日)
【終了】第2回 6月25日(日)
【終了】第3回 7月23日(日) の PM 14:00~16:00
■講座の内容
・夫婦のコミュニケーションと子どもへの影響とは ・子どもの幸せを中心に据えた話し合いとは
・個別相談(予約制・別料金)
■参加費:2,000円
■主催:特定非営利活動法人日本リザルツ・離婚と親子の相談室「らぽ~る」
■会場:日本リザルツ会議室
〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-6-14 三久ビル503
詳細は、講座&らぽーるチラシ_5.6.7月。
過去の親共育プログラム
■開催日時
第1回 1月21日(土)
第2回 2月18日(土)
第3回 3月18日(土) の AM 10:00~12:00
■講座の内容
・養育費・面会交流についての学び ・養育計画合意書作成サポート
・個別相談(予約制・別料金)
■参加費:2,000円
日時 | 2月27日(土) 14時~16時 |
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場所 | 東京都千代田区霞が関3-6-14 三久ビル501 |
参加費 | 500円 |
定員 | 40名 (要予約。定員になり次第締切させていただきます。) |
お申込み方法 | お名前、メールアドレス、電話番号を明記の上、info@oyako-support.jpまでご連絡ください。 フリーダイヤル0120-085-125からもお申込みいただけます。(詳細はこちら) |
※過去の親教育プログラムにご参加いただいてない方でもご参加いただけます。過去にご参加いただいた方も、第1回、第2回とは別の内容となっておりますので、ご参加いただけます。
※第1回~第3回すべての回にご参加いただいた方には「らぽーる」オリジナル記念品を差し上げます。
※2名以上お揃いになれば、補講もお受けします。日時はご相談ください。
第1回親教育プログラム受講の感想 ~『親教育プログラム』がやってきた!
離婚問題を数多く扱う弁護士に話を伺いにいったことがある。そのとき指摘され、虚を突かれたのが、「離婚がこんなに簡単な国はない。紙一枚だけだからね」という言葉だ。離婚を経験し、子どもと離れて暮らすようになるまでは、あまり考えたことがなかったが、言われてみれば確かにそうだ。離婚届に夫婦がサインし捺印し、届ければそれで終わりなのだ。
諸外国、特に西側の諸外国では離婚やその後のプロセスが日本と異なっている。届けにサインするだけの協議離婚はなく、裁判所の調停手続きが必要であったり、養育費の支払いが義務化されていたり。共同親権制度が整備されていたり。共同養育計画書の提出が義務化されていたり、さらには親教育プログラムというものへの参加が義務づけられていたりする。このように別れた後も共同で子育てしやすいよう、法制度や行政のバックアップがしっかりしているのだ。
冒頭の指摘をした森公任弁護士が所属する森弁護士事務所のブログには次のような記述がある。
「米国では、離婚の最大の被害者は子どもであるという認識が普遍的で、離婚により子どもに精神的ダメージを与えた父母が、その後も、子どもへダメージを与え続けることを防ごうと、親の教育プログラムが、かなりの規模で実施されているようだ」と。
そのプログラムだが、東京国際大学の小田切紀子教授の「離婚家庭の子どもへの支援・後編」という論文に概要の一例が記されていた。それによると「子どもの発達の段階別の特徴とその時期それぞれの離婚に対しての反応、元配偶者と協力し合っての知識とスキル、ロールプレイやディスカッションなど」とのこと。
どういったものなのか。気になっていたところ、日本でも親教育プログラムが試験的に行われる、ということを耳にした。「離婚と親子の相談室 らぽーる」という団体が10月25日、親教育プログラムを実施するというのだ。これは厚生労働省の調査研究事業として行われるもので、3月までに3回開催される予定なのだという。
当日、都心某所の会場を訪れると、30~50代の男女が30人前後集まっていた。5人ずつのテーブルが3卓。加えて、取材などの関係者が1卓。
「共同養育を実現する親であるために」という配布冊子を元に話は進んでいった。内容は先に紹介した小田切教授の論文をほぼ踏襲しているようだ。子どもの病気に際しての自分の振る舞いを思い出したり、「助け無しで2、3歩歩ける」「指を使って物をつまむ」といったことを一般的に子どもがいつできるようになるのか、年齢を記すクイズをしたり、山の形を書いて心理テストをしたりした。
父と母の役割をテーブル別に話し会い、書き出していった。僕のいたテーブルでは夫婦関係を壊さない方法というのが主なトピックとして登っていた。ほかのテーブルでは日本社会での一般的な男女の行動パターンに即した文言が並んでいて、物のとらえ方の違いを思い知らされた。その後は子どもへの離婚の告げ方やそれに対しての子ども受けとめ方を映画の一場面を参考に考えたりした。そして最後に「共同養育計画合意書」の記入例の紹介もあった。それには親権・監護権、養育費、支払方法、面会交流の実施方法などが仔細に記されていた。
クイズや心理テスト、ディスカッションといったことをやっているときは、なんでこんなことをやらされるのか、と正直、首をかしげた。しかし受講から4日がたってこれを書いている今、プログラムの意図や効果が少しわかるようになった気がする。夫婦関係が良好だった頃のことや悪くなっていったときのこと、子どもが病気になったときの焦りや、離婚に至るまでの悪夢のような日々…といったことを思い出したり、別れたときの子どもの心理についても想像したりするのだ。
講師役の方たちが「過去と他人は変えられない、しかし未来と自分は変えられる」と話していたが、振り返ると、まさにそうした効果が、徐々にかもしれないが、出てきたのかもしれない。しかし一方、離婚直後の未来が暗闇に閉ざされたような時期にこれを受けたかったという風にも思った。
今後、このような試みが離婚を検討する夫婦が受けるのが全国的に一般的になれば、離婚しても、関係をこじらせず、未来を切り開ける男女が増えるはずだ。僕は間に合わなかったが、今後、定着することを切に望んでいる。(西牟田 靖)